新ポリグリップは、日本で最も知名度がある入れ歯安定剤なのではないでしょうか?
本記事では新ポリグリップの、「新」の意味を探っていきます。新ポリグリップとポリグリップの違いや、新ポリグリップの製品ごとの特徴をまとめました。
タフグリップやポリデントといった、他製品との違いも解説しています。
- 新ポリグリップとポリグリップの違い
- 新ポリグリップの製品の違い
- ポリグリップとタフグリップの違い
- ポリグリップとポリデントの違い
1分でわかる!新ポリグリップの種類と違い

新ポリグリップには7種類あります。ポリグリップパウダーを加えると、ポリグリップシリーズは計8種類です。
- 新ポリグリップ 無添加
- 新ポリグリップ S
- 新ポリグリップ 極細ノズル無添加
- 新ポリグリップ 極細ノズルメントール
- 新ポリグリップトータルプロテクションEX
- 新ポリグリップ 安定&快適フィットEX
- 新ポリグリップ長時間安定&噛む力EX
- ポリグリップ パウダータイプ無添加
8種類のポリグリップの違いは、以下の8つに整理することができます。
- クリームタイプかパウダータイプか
- 香料の有無と味
- 特別処方の有無
- 食べ物の挟まりにくさの違い
- 粘着力の違い
- 極細ノズルか通常ノズルか
- 何日持つか
- 価格
それぞれの違いを理解し、自分に合った製品を選択しましょう。
ポリグリップの違いを知る前に|入れ歯安定剤の基本と選び方
入れ歯安定剤は入れ歯を外れにくくするためのオーラルケア用品です。
種類はクリーム、パウダー、クッションに大別され、適合の良い義歯に補助的に使うのが基本です。
本項では、ポリグリップの歴史やポリグリップの基本的な取り扱いについて解説します。
入れ歯安定剤ポリグリップとは?
ポリグリップは、入れ歯をしっかりと固定するための安定剤で、日常生活や食事中の義歯のズレを防ぐ製品です。日本ではHaleon(ヘイリオン)ジャパン株式会社から、管理医療機器として販売されています。
形状としてはパウダー状やクリーム状があり、粘着性や味の違いなどから、複数のラインナップが用意されています。ドラッグストアで販売されていることも多く、入手が容易な入れ歯安定剤と言えるでしょう。以前は歯科医院でのみ販売される「歯科用」ポリグリップがありましたが、現在では新規の製造は行っていないようです。
新ポリグリップは入れ歯安定剤の研究でもサンプルに指定されることも多く、学術研究の対象となっている点も特徴です。入れ歯安定剤の代表例として、大学などの研究機関によって種々の研究が行われています。
現在、国内で販売されている製品は以下の8製品です。
ベーシックシリーズ
- 新ポリグリップ無添加
- 新ポリグリップS
ビギナーシリーズ
- 新ポリグリップ 極細ノズル 香料・色素 無添加
- 新ポリグリップ 極細ノズル お口スッキリ メントール配合
プレミアムシリーズ
- 新ポリグリップトータルプロテクションEX
- 新ポリグリップ 安定&快適フィットEX
プレミアムプラスシリーズ
- 新ポリグリップ長時間安定&噛む力EX
パウダーシリーズ
- ポリグリップ パウダータイプ 無添加
ポリグリップは医薬品?
結論から言うと、ポリグリップは医薬品ではありません。ポリグリップは「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」で、管理医療機器クラスⅡに分類されています。
医薬品は、病気の診断・治療・予防や身体機能に影響を及ぼすものです。
一方で管理医療機器は、薬ではなく機械・器具等に当たる医療機器に該当します。管理医療機器クラスⅡの製品は、安全性について第三者機関により検証され、認証を得ています。
薬理作用のあるものが医薬品、物理的に用いる道具が管理医療機器と考えるとわかりやすいでしょう。

歯ブラシや歯磨き粉は「化粧品」や「医薬部外品」です。入れ歯安定剤は「管理医療機器」であり、第三者によって認証された特別な製品です。
「新」ポリグリップが生まれた歴史
ポリグリップは、1951年から販売されている入れ歯安定剤です。日本で70年以上の歴史を誇るポリグリップですが、いつから「新」ポリグリップが販売されたのでしょうか。
新ポリグリップの大きな特徴である極細ノズル。極細ノズルが搭載された新ポリグリップのうち、最初に販売された製品は「新ポリグリップ 極細ノズル」です。グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社(GSK)から2017年9月29日に新ポリグリップが発売されました。
新ポリグリップの「新」の意味は、極細ノズルによる使用感の向上とも言えるでしょう。主要な成分自体には、大きな変更はありません。
現在の製造販売元であるHaleonジャパン株式会社は、2022年7月にGSKから分離独立したグローバルコンシューマーヘルスケア企業です。
新ポリグリップの使い方
まずは、入れ歯をしっかりと洗浄し、水分をしっかりと拭き取ります。その後入れ歯の内面に線状または点状に新ポリグリップを塗布します。口腔内をすすいでから入れ歯を装着し、1分ほど軽く噛んで固定すれば準備は完了です。
入れ歯安定剤が入れ歯からはみ出すようなら、使用量が多すぎるでしょう。原則1日1回までの使用が推奨されています。
ポリグリップの使用方法を以下にまとめました。
入れ歯を洗浄し、水気を拭き取ります。
多くなりすぎないように、少量から始めましょう。
ポリグリップは水分を吸い、時間をかけて粘着力が高まっていきます。
ポリグリップを塗った入れ歯を使用します。
口を水でゆすぎ、入れ歯を左右に揺さぶって外します。
入れ歯に付いたポリグリップを義歯ブラシで機械的に洗い流します。
ポリグリップ使用後のケア方法
就寝時は、歯科医師からの特別な指示がない限り入れ歯は外します。その際には入れ歯と口腔内に残ったポリグリップをしっかりと拭き取りましょう。
口腔内に残ったポリグリップは、ガーゼやスポンジブラシを使用すると除去しやすいです。
入れ歯に残ったポリグリップは、入れ歯安定剤を溶かすことのできる専用の入れ歯洗浄剤を使用してもよいでしょう。
ポリグリップを取り除いた入れ歯は、入れ歯用ブラシでこすり洗いをした後に、入れ歯用洗浄剤につけ置きして洗浄します。
清掃不足は義歯性口内炎や口腔カンジダ症の一因になるため危険です。毎日の入れ歯洗浄が、体の健康維持につながります。
ポリグリップの基本成分と種類別含有成分の違い
ポリグリップには何が含まれているかご存じですか?
本項ではポリグリップの法的な分類と、ポリグリップに含まれる成分の種類を解説します。
ポリグリップの成分


ポリグリップの主要成分は以下の4つです。
- ナトリウム/カルシウム・メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩
- カルボキシメチルセルロース
- 軽質流動パラフィン
- 白色ワセリン
①と②はポリグリップの主要な粘着成分で、③と④はポリグリップが均一に入れ歯内面に広がるための材料(基材)です。これらに、香料や色素などが加わることで多数のラインナップが実現されています。
ポリグリップはアルコールや防腐剤などは使用せず、口腔内に優しい商品設計となっています。
ポリグリップ種類別の成分まとめ
ポリグリップには8種類のタイプがあります。スタンダードタイプに加え、安定性を重視したものや、歯ぐきに優しいデリケートタイプ、さらにはパウダータイプなど、個人のニーズに合わせて選択できる製品が揃っています。
以下に各製品の違いを示します。①〜④は前述と同じ以下の成分です。
- ナトリウム/カルシウム・メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩、
- カルボキシメチルセルロース
- 軽質流動パラフィン
- 白色ワセリン
| 商品名 | 成分 | 特徴 | 効果時間 |
|---|---|---|---|
| (1) 新ポリグリップ 極細ノズル | ①〜④ | スタンダードなポリグリップと極細ノズルの組み合わせ | 約12時間 |
| (2) 新ポリグリップ 極細ノズル メントール | ①〜④、香料、赤色 226 号、赤色 202 号 | (1)に爽やかなメントールを配合 | |
| (3) 新ポリグリップ トータルプロテクションEX | ①〜④ | (1) と同じ成分で、①②の粘着成分の配合量を増量 | |
| (4) 新ポリグリップ 安定&快適フィットEX | ①〜④、ポリアクリル酸 | (1)にポリアクリル酸を配合することで、歯ぐきにやさしいクッション性を実現 | |
| (5) 新ポリグリップ 無添加 | ①〜④ | 極細ノズルを採用していない、従来のベーシクなポリグリップ | |
| (6) 新ポリグリップ S | ①〜④、パラオキシ安息香酸プロピル、香料、赤色3号 | (5)にミント風味を加えた製品 | |
| (7) 新ポリグリップ 長時間安定&噛む力EX | ①〜④ | 成分は(1)、(3)、(5)と同じ | |
| (8) ポリグリップ パウダータイプ 無添加 | ①、② | ポリグリップ唯一のパウダータイプ | 約4時間 |
(1) 〜(7)はクリームタイプ、(8)はパウダータイプと呼ばれています。パウダータイプは粉末状ですので、基材(クリーム状にするための材料)である③と④
ポリグリップの種類
それではポリグリップの多彩なラインナップを見ていきましょう。ポリグリップには8つの製品があり、それぞれには独自の特長があり、ユーザーの用途や好みに応じた最適な選択肢を提供しています。
ポリグリップは5シリーズ8種類


ポリグリップのラインナップは、消費者の多様なニーズに対応するために設計されています。5つのシリーズは、それぞれ異なる機能や利点を兼ね備えており、使用者の好みに応じた選択が可能です。
- ベーシックシリーズ
-
- 新ポリグリップ無添加
- 新ポリグリップS
新ポリグリップの中で、極細ノズルが搭載されていないシリーズ。従来の製品に慣れている方におすすめです。新ポリグリップSはミント味です。極細ノズルを搭載していない分、内容量は75gとなっており、お得感が強い製品でもあります。
- ビギナーシリーズ
-
- 新ポリグリップ 極細ノズル 香料・色素 無添加
- 新ポリグリップ 極細ノズル お口スッキリ メントール配合
ビギナーシリーズには2種類のラインナップがあります。入れ歯安定剤の使用が初めての方でも適量を塗れるように、極細ノズルが搭載されています。2種類の違いは、味の違いです。40gと70gの容量が用意されています。
- プレミアムシリーズ
-
- 新ポリグリップトータルプロテクションEX
- 新ポリグリップ 安定&快適フィットEX
ビギナーシリーズをさらに強化し、ビギナーシリーズでは物足りない方に向けた製品。新ポリグリップ 安定&快適フィットEXは、新ポリグリップの中でも最新で、2023年9月11日に発売されました。40gと70gの容量が用意されています。
- プレミアムプラスシリーズ
-
- 新ポリグリップ長時間安定&噛む力EX
2025年に発売された、ポリグリップシリーズの最新製品です。プレミアムシリーズよりも優れた性能を求める方におすすめです。
- パウダーシリーズ
-
- ポリグリップ パウダータイプ 無添加
ポリグリップシリーズ唯一のパウダータイプの製品です。
ポリグリップの種類①│新ポリグリップ 極細ノズル 無添加
新ポリグリップシリーズの代名詞ともいえる極細ノズルを搭載した「新ポリグリップ極細ノズル無添加」。本製品の基礎知識を解説します。
新ポリグリップ極細ノズル無添加の概要
新ポリグリップ極細ノズル無添加は、入れ歯安定剤としての新たなスタンダードを確立する製品です。ポリグリップの基本的な成分を踏襲しながら、操作性に優れた極細ノズルが搭載されています。
ポリグリップの従来のメリットを生かしながら、さらなる利便性を追求した製品が「新ポリグリップ極細ノズル無添加」です。含有成分は「新ポリグリップ無添加」と同じ4種類です。
- ナトリウム/カルシウム・メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩
- カルボキシメチルセルロース
- 軽質流動パラフィン
- 白色ワセリン
内容量は40gと70gの二製品です。
新ポリグリップ極細ノズル無添加のポリグリップシリーズにおける位置づけ
「新ポリグリップ極細ノズル無添加」はポリグリップシリーズの中でも、極細ノズル搭載製品に該当します。成分は従来のポリグリップと同じですが、極細ノズルを搭載することで、適正量の入れ歯安定剤の使用に貢献しています。
同じ成分を配合した「新ポリグリップ無添加」よりより細かな塗布を目的としており、特に入れ歯を初めて使用する方や、過去に入れ歯安定剤の塗布方法で難しさを感じた方に推奨される製品です。
新ポリグリップ極細ノズル無添加とほかのポリグリップとの比較
他のポリグリップ製品と比較すると、この極細ノズル無添加は、成分のシンプルさとノズルの使いやすさで一線を画します。「ポリグリップ無添加」に代表されるベーシックシリーズでは広範囲に塗布しやすいデザインですが、こちらはピンポイントでの塗布が可能。無添加であることで、食事への影響が少なく、自然な使用感を得られます。
新ポリグリップ極細ノズル無添加の販売価格の比較
ポリグリップ極細ノズル無添加は、ベーシックシリーズの入れ歯安定剤と比較して価格がやや高めに設定されていますが、その価値はあると筆者は思います。「ポリグリップ無添加」と同じく防腐剤や着色料が無添加でありながら、極細ノズルが搭載されています。
新ポリグリップ極細ノズル無添加の販売価格は以下のとおりです。
| ウェルシア | マツモトキヨシ | ココカラファイン | スギ薬局 | トモズ | Amazon | 楽天市場 | Yahoo!ショッピング | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 40g | ¥990 | ¥990 | ¥990 | ¥987 | – | ¥700 | ¥949 | ¥1,153 |
| 70g | ¥1,518 | ¥1,518 | ¥1,518 | ¥1,518 | ¥1,518 | ¥1,218 | ¥1,512 | ¥1,474 |
新ポリグリップ極細ノズル無添加はAmazonでの購入が最安値となっています。
新ポリグリップ極細ノズル無添加のメリット
この製品の最も大きなメリットは、以下の2点です。
- 極細ノズル搭載
- 香料・着色料・防腐剤無添加
操作性に優れた極細ノズルが搭載されている点が「新ポリグリップ極細ノズル無添加」の大きなメリットです。同じビギナーシリーズに分類される「新ポリグリップ 極細ノズル お口スッキリ メントール配合」はメントールの成分が配合されています。
入れ歯安定剤による食事への影響が心配な方にとっては本製品がおすすめです。
無添加で口腔内に優しい処方であることです。敏感肌の方でも安心して使える上、極細ノズルで適量をピンポイントで塗布できるのは大きな利点です。それによって過剰な使用を防ぎ、入れ歯の位置を適切に保ちます。使用後も違和感が少なく快適に過ごせる点が評価されています。
新ポリグリップ極細ノズル無添加のデメリット
一方でデメリットとして指摘されるのは、その価格設定です。同じ成分を配合した「新ポリグリップ無添加」よりも若干販売価格が高めであるため、コストパフォーマンスを重視する方には向かない場合があります。
ポリグリップの種類②│新ポリグリップ 極細ノズル メントール
新ポリグリップ極細ノズルメンソールの基本的な情報を解説します。基本成分やほかのポリグリップとの違いをまとめました。
新ポリグリップ極細ノズルメンソールの概要
新ポリグリップ極細ノズルメンソールは、ポリグリップシリーズの中でもビギナーシリーズに該当します。極細ノズル搭載に加え、使用時の爽快感を高めるメンソール処方です。含有成分は以下のとおり。
- ナトリウム/カルシウム・メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩
- カルボキシメチルセルロース
- 軽質流動パラフィン
- 白色ワセリン
- 香料
- 赤色 226 号
- 赤色 202 号
①〜④ はポリグリップの基本成分で、⑤〜⑦ がメンソール風味を作り出しています。内容量のラインナップは40gと70gの二種類です。
新ポリグリップ極細ノズルメンソールのポリグリップシリーズにおける位置づけ
ポリグリップシリーズにおいて、この極細ノズルメンソールは特に「爽快感」と「操作性の良さ」を兼ね備えた入れ歯安定剤として位置づけられています。この製品は、フレッシュな入れ歯安定剤の使用感を実現するために、特別なメンソール処方が行われています。
同じビギナーシリーズである「新ポリグリップ極細ノズル無添加」と同様に、極細ノズルが搭載されていることで、入れ歯安定剤を狙った場所に適量だけ使用することが可能です。
新ポリグリップ極細ノズルメンソールとほかのポリグリップとの比較
他のポリグリップ製品と比較してみます。新ポリグリップ極細ノズル無添加は、ベーシックシリーズと同様の配合成分でありながら、プレミアムシリーズと同様の極細ノズルを搭載。価格面ではベーシックシリーズとプレミアムシリーズの中間に位置します。
ノズルの形状が特徴的な極細ノズルを搭載することで、より正確かつ少量での塗布が可能です。また、メンソールの香りが加わることで、口内環境をより爽やかに保つことができます。他の製品が持つ安定性や吸着力はそのままに、使用者の好みに合わせた独自のフレーバーと使用感を提供しています。これにより、個々のニーズに沿った選択が可能となっています。
新ポリグリップ極細ノズルメンソール販売価格の比較
新ポリグリップ極細ノズルメンソールの販売価格は、ベーシックシリーズと比較して若干高めの設定となっています。実際の販売価格を以下にまとめました。
| ウェルシア | マツモトキヨシ | ココカラファイン | スギ薬局 | トモズ | Amazon | 楽天市場 | Yahoo!ショッピング | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 40g | ¥990 | – | ¥990 | – | – | ¥773 | ¥1,141 | ¥1,153 |
| 70g | ¥1,518 | ¥1,518 | ¥1,518 | ¥1,518 | ¥1,518 | ¥1,218 | ¥1,513 | ¥1,486 |
最安値はAmazonです。ドラッグストアの調査場所は東京都で、調査日は令和7年1月26日です。通販サイトでは、送料込みの最安値を掲載しています。
新ポリグリップ極細ノズルメンソールのメリット
新ポリグリップ極細ノズルの最大の特徴は、メンソールの爽快感です。極細ノズルが搭載された製品のうち、フレーバーが付けられている唯一の製品です。
操作性は他のビギナーシリーズやプレミアムシリーズ同様に極細ノズルが搭載されていますので、狙った場所に適量使用することができます。
新ポリグリップ極細ノズルメンソールのデメリット
一方で、デメリットとして挙げられるのは、価格の高さです。ベーシックシリーズである「新ポリグリップ無添加」や「新ポリグリップS」と比べると、1グラムあたり4円ほど高くなっています。70gでは約300円の価格差になりますので、コストパフォーマンスを重視している方は要注意です。
メリットでもあるメンソール風味ですが、食事の味に影響してしまい、好ましくないと感じる方もいるかもしれません。その場合には「新ポリグリップ極細ノズル無添加」がおすすめです。
ポリグリップの種類③│新ポリグリップ トータルプロテクションEX
入れ歯の横ずれが気になる方のために作られた入れ歯安定剤。粘着剤の配合量を増量することで、ベーシック品よりも強力な粘着力を実現しています。極細ノズルで塗りやすく、少量の使用でしっかりとフィットします。
ポリグリップの種類④│新ポリグリップ 安定&快適フィットEX
ポリグリップ安定&快適フィットEXの概要の基本的な情報をまとめました。
新ポリグリップ安定&快適フィットEXの概要
新ポリグリップ安定&快適フィットEXは、歯ぐきへの負担を軽減させるために特別作られた入れ歯安定剤です。入れ歯使用者1,000人へのアンケート調査の結果、20%の方が歯ぐきの痛みを訴え、13%の方が歯ぐきの疲れを自覚していることがわかりました。
そこで新ポリグリップ安定&快適フィットEXでは、水分を含むとジェル状のクッション層を形成するポリアクリル酸を配合しています。食べ物をかんだ際の衝撃を、入れ歯安定剤が緩和することを目指しています。
配合成分は以下の通り。
- ナトリウム/カルシウム・メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩
- カルボキシメチルセルロース
- 軽質流動パラフィン
- 白色ワセリン
- ポリアクリル酸
①〜④ はポリグリップ全てに配合される基本成分です。色素、香料、防腐剤は添加されておらず、食べ物の味に影響を与えにくい設計です。
極細ノズルも搭載されているため、細かな場所にも的確に入れ歯安定剤を塗布することが可能です。
内容量は40gと70gの二種類が用意されています。
新ポリグリップ安定&快適フィットEXのポリグリップシリーズにおける立ち位置
ポリグリップ安定&快適フィットEXは、ポリグリップの中でもプレミアムシリーズに該当する製品です。ポリグリップの基本成分は従来通り引き継ぎながらも、ポリアクリル酸を配合することで歯ぐきに優しい入れ歯安定剤となっています。
スタンダードな製品では満足できない方におすすめな製品となっています。
新ポリグリップ安定&快適フィットEXとほかのポリグリップとの比較
他のポリグリップ製品と比較して、安定&快適フィットEXはクッション性に優れた歯ぐきに優しい入れ歯安定剤といえるでしょう。ジェル状のクッション層を形成するポリアクリル酸は、新ポリグリップ安定&快適フィットEXのみの特別処方です。
プレミアムシリーズの製品だけあって、特別処方に加え、極細ノズルも搭載しています。従来のベーシックシリーズに比べ、適量の入れ歯安定剤を適切な位置に塗布できることが特徴です。
新ポリグリップ安定&快適フィットEXはポリグリップシリーズの中でも高価格帯の製品です。今まで使用ていた入れ歯安定剤よりも高性能を求める方の新たな選択肢になるのではないでしょうか。
新ポリグリップ安定&快適フィットEXの販売価格の比較
新ポリグリップ安定&快適フィットEXの市場での販売価格は、他の入れ歯安定剤と比較して高価です。実際にドラッグストアと大手通販サイトの販売価格を調べて、下記にまとめました。
| ウェルシア | マツモトキヨシ | ココカラファイン | スギ薬局 | トモズ | Amazon | 楽天市場 | Yahoo!ショッピング | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 40g | ¥1,155 | ¥1,155 | ¥1,263 | ¥1,078 | – | ¥866 | ¥1,182 | ¥1,081 |
| 70g | ¥1,738 | ¥1,738 | ¥1,846 | ¥1,628 | – | ¥1,370 | ¥1,760 | ¥1,634 |
最安値のAmazonと他の販売店では内容量70gの製品で、約400円の開きがあります。高価格帯の製品だからこそ、できる限り安く購入したいものです。
ドラッグストアの調査場所は東京都で、調査日は令和7年1月26日です。通販サイトでは、送料込みの最安値を掲載しています。
新ポリグリップ安定&快適フィットEXのメリット
ポリグリップ安定&快適フィットEXの最大のメリットは、その優れたクッション性にあります。これにより、日常の食事では快適さを実感できるでしょう。また、長時間安定した効果を発揮するため、一日を通して安心して使用することができます。
新ポリグリップ安定&快適フィットEXのデメリット
新ポリグリップ安定&快適フィットEXの一番のデメリットは価格が高いことです。ポリアクリル酸が配合された特殊処方であることから、ポリグリップシリーズの中でも高価格帯に位置します。安さを重視する場合は、ほかのシリーズのポリグリップを選び、満足できない場合に新ポリグリップ安定&快適フィットEXを選択すると良いでしょう。
ポリグリップの種類⑤│新ポリグリップ長時間安定&噛む力EX
「新ポリグリップ 長時間安定&噛む力EX」は、2025年に発売されたポリグリップシリーズの最新作です。持続型フィット成分をシリーズ最大濃度で配合し、長時間の安定を目指しました。極細ノズル搭載で、色素・香料・防腐剤無添加、アルコール不使用です。
ポリグリップの種類⑥│新ポリグリップ 無添加
新ポリグリップ無添加の特長を見ていきましょう。新ポリグリップ無添加の概要から販売価格まで、詳細に解説していきます。
新ポリグリップ無添加の概要
新ポリグリップ無添加は、ポリグリップシリーズにおけるベーシックシリーズに該当します。含有成分は以下の4つ。
- ナトリウム/カルシウム・メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩、
- カルボキシメチルセルロース
- 軽質流動パラフィン
- 白色ワセリン
新ポリグリップ無添加はポリグリップシリーズでも最もベーシックな製品となっています。ポリグリップシリーズの基本成分のみが配合されています。
内容量のラインナップは最も多く、20g、40g、75gの3種類があります。
新ポリグリップ無添加のポリグリップシリーズにおける位置づけ
新ポリグリップ無添加は、ポリグリップシリーズのベーシックシリーズの一つです。ポリグリップの代表例ともいえる製品であり、従来のポリグリップの特長を踏襲しています。
ポリグリップシリーズの中でも、基本的な成分のみが配合されており、成分的にもポリグリップの基本といえるでしょう。
新ポリグリップ無添加とほかののポリグリップとの比較
他のポリグリップ製品と比較すると、新ポリグリップ無添加は、入れ歯の安定に必要な成分のみが含まれている点で優れています。他の製品には香料やクッション成分が含まれている場合がありますが、この無添加タイプは必要最低限の成分のみを使用し、シンプルな使用感を提供します。
同じベーシックシリーズの中でも、ポリグリップSとは異なり、無香料の製品となっています。入れ歯安定剤の風味が気になる方にとっては嬉しい製品です。
ベーシックシリーズですので極細ノズルは搭載されていません。
新ポリグリップ無添加の販売価格の比較
新ポリグリップ無添加の販売価格を調べました。ドラッグストアと大手通販サイトの値段を見ていきましょう。
| ウェルシア | マツモトキヨシ | ココカラファイン | スギ薬局 | トモズ | Amazon | 楽天市場 | Yahoo!ショッピング | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 20g | ¥470 | ¥470 | ¥470 | ¥470 | – | ¥368 | ¥409 | ¥439 |
| 40g | ¥811 | ¥811 | ¥811 | ¥811 | – | ¥700 | ¥921 | ¥891 |
| 75g | ¥1,078 | ¥1,027 | ¥1,078 | ¥1,188 | ¥1,078 | ¥1,073 | ¥1,300 | ¥1,200 |
新ポリグリップ無添加はポリグリップシリーズの中で唯一、内容量が三種類あります。20gと40gではAmazonが最安値ですが、75gはマツモトキヨシが僅差で最安値です。
ドラッグストアの調査場所は東京都で、調査日は令和7年1月26日です。通販サイトでは、送料込みの最安値を掲載しています。
新ポリグリップ無添加のメリット
新ポリグリップ無添加のメリットは以下のとおり。
- 香料無添加
- 内容量の豊富なラインナップ
- コストパフォーマンス良好
新ポリグリップ無添加は、香料、防腐剤、着色料が無添加であり、料理の味を邪魔しません。ベーシックシリーズであるポリグリップSとの使い分けは、この無香料という点でしょう。
また、ポリグリップシリーズの中で唯一20gのラインナップがあります。お試しで使う場合や、持ち運び用として効果を発揮します。入れ歯安定剤を使ったことがない人にも、自宅用の入れ歯安定剤をすでに持っている人にもおすすめです。
ベーシックシリーズの製品だけ合ってコストパフォーマンスは良好です。まずポリグリップを試すなら、ポリグリップ無添加が最良の選択肢です。
新ポリグリップ無添加のデメリット
一方、ポリグリップSにはデメリットも存在します。筆者が考える新ポリグリップ無添加のデメリットは一点です、
- 極細ノズルが搭載されていない
筆者は最適な入れ歯安定剤の使用のため、極細ノズルの使用をおすすめしています。すでに入れ歯安定剤を使用していて、慣れている方にとっては極細ノズルは不要かもしれません。
はじめて使う入れ歯安定剤におすすめな製品だからこそ、極細ノズルが搭載されていない点は残念です。同じ成分で極細ノズルが搭載された製品には「新ポリグリップ 極細ノズル 香料・色素 無添加」が用意されています。
ポリグリップの種類⑦│新ポリグリップ S
新ポリグリップSはどのような入れ歯安定剤なのでしょうか?本項では新ポリグリップSの基本情報をまとめました。
新ポリグリップSの概要
新ポリグリップSは、ポリグリップシリーズにおけるベーシックシリーズに該当します。含有成分は以下の7つ。
- ナトリウム/カルシウム・メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩
- カルボキシメチルセルロース
- 軽質流動パラフィン
- 白色ワセリン
- パラオキシ安息香酸プロピル
- 香料
- 赤色3号
⑤〜⑦ はミント風味を作り出す添加物です。①〜④ を含有している点はほかの新ポリグリップと変わりません。内容量のラインナップは40gと75gです。
新ポリグリップSのポリグリップシリーズにおける位置づけ
ポリグリップSは、特にコストパフォーマンスに優れた製品として位置づけられています。はじめて入れ歯安定剤を使用するユーザーから以前から使用しているユーザーまで、幅広いニーズに対応できるように設計されており、シリーズの中で最もバランスの取れた選択肢として人気があります。
ベーシックシリーズには「新ポリグリップ無添加」もありますが、「ポリグリップS」はミント風味となっている点が異なります。ベーシックシリーズの中でも、爽快感を求める方にベストな製品です。
新ポリグリップSとほかのポリグリップの比較
他のポリグリップ製品と比較すると、新ポリグリップSは特に価格面でのアドバンテージがあります。ポリグリップシリーズ野中でも最大用量の75gのラインナップがあり、グラムあたりの価格でも優位性を誇ります。
入れ歯の安定力や持続性において、新ポリグリップビキナーシリーズと同等の機能を提供しながらも、コストが抑えられるため多くのユーザーに選ばれています。
コストパフォーマンスに優れている一方で、極細ノズルは搭載されていません。
新ポリグリップSの販売価格の比較
新ポリグリップSの販売価格を見ていきましょう。ドラッグストアの調査場所は東京都で、調査日は令和7年1月26日です。通販サイトでは、送料込みの最安値を掲載しています。
| ウェルシア | マツモトキヨシ | ココカラファイン | スギ薬局 | トモズ | Amazon | 楽天市場 | Yahoo!ショッピング | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 40g | ¥811 | – | ¥811 | ¥811 | – | ¥579 | ¥859 | ¥952 |
| 75g | ¥1,078 | ¥1,027 | ¥1,078 | ¥1,188 | ¥1,408 | ¥982 | ¥1,166 | ¥1,200 |
新ポリグリップSのメリット
新ポリグリップSの主なメリットは、以下の2点です。
- コストパフォーマンス
- ミント風味
日々使うものだからこそ、コストパフォーマンスは重要です。ミント風味については好みはあると思いますが、無香料が好みの方には「新ポリグリップ無添加」が用意されています。
新ポリグリップSのデメリット
新ポリグリップSの主なデメリットは、以下の2点です。
- 極細ノズルが搭載されていない
- ミント風味
新ポリグリップSの最大のデメリットは極細ノズルが搭載されていない点です。極細ノズルは入れ歯安定剤の塗布量をピンポイントかつ均一に塗布できるシステムです。この点は筆者としては一番のネックと考えています。
メリットにも記載したミント風味ですが、人により好みがあると思います。ミント風味が食事に違和感を生じさせる可能性もあります。
ポリグリップの種類⑧│ポリグリップ パウダータイプ 無添加
「ポリグリップパウダー無添加」は、シリーズで唯一の粉末タイプです。入れ歯内面に薄く均一に振りかけられ、入れ歯安定剤の過剰使用による入れ歯の浮き上がりを防ぎます。成分は粘着剤2種のみで、防腐剤・着色料・香料は無添加です。


新ポリグリップシリーズの8 つの違い
ポリグリップの違いは、剤形(クリーム・パウダー)、香料や着色料の有無、粘着力の差、特別処方の有無、ノズル形状、容量、価格に整理できます。
何を重視するかで、おすすめの製品は異なります。ここでは、新ポリグリップの選ぶ際に重要な各要素を解説します。
新ポリグリップの違い①|クリームタイプかパウダータイプか


入れ歯安定剤の主流はクリームタイプで、粘着力の持続時間と簡単な使用方法が特長です。新ポリグリップシリーズは全てクリームタイプの製品で、計7製品あります。
パウダータイプでは、入れ歯安定剤を均一に塗布できることがメリットです。粘着力の持続時間の短さはデメリットでもありますが、毎食後に入れ歯を清掃したい人にとってはメリットとなります。
パウダータイプのポリグリップは、「ポリグリップ パウダータイプ 無添加」の1製品で、「新」ポリグリップではありません。


どちらか一方が優れているとは言えませんので、それぞれの違いを理解して、使い分けるのが良いでしょう。
新ポリグリップの違い②|香料の有無と味


新ポリグリップには、香料・着色料の配合の有無に違いがあります。
無添加タイプは色素・香料を含まず、味を変えにくい処方で、食事の風味への影響が最小限です。食材本来の味を重視する方にはおすすめです。
香料と着色料が配合されたタイプは、「新ポリグリップS」と「新ポリグリップ 極細ノズル お口スッキリ メントール配合」の2製品あります。メンソール風味やミント風味は、爽快な付け心地を希望する方にはうれしい処方です。
新ポリグリップの違い③|特別処方の有無


新ポリグリップには、特別処方が加えられた製品が存在します。
「新ポリグリップ 安定&快適フィットEX」には、ジェル状のクッション材であるポリアクリル酸が配合されています。ポリアクリル酸が配合されたことで、歯ぐきに違和感がある場合や、歯ぐきの一部分に強い力が集中してしまうケースで効果を発揮します。
しかし、ポリグリップはしっかりと調整された入れ歯への使用を前提として作られています。合わない入れ歯に対して使う製品ではありませんので、入れ歯を使用した際に痛みがある方は、入れ歯に専門性をもつ歯科医師の診察を必ず受けましょう。
新ポリグリップの違い④|食べ物の挟まりにくさの違い


食べ物の挟まりにくさは、配合成分の違いや、配合量の違いによって生じます。新ポリグリップシリーズでは、「新ポリグリップ 安定&快適フィットEX」と「新ポリグリップ長時間安定&噛む力EX」が、食べ物をより挟まりにくくした製品です。
入れ歯安定剤の適切な使用は、入れ歯と歯ぐきの間に食べ物を挟まりにくくすることがわかっています。
新ポリグリップの違い⑤|粘着力の違い


入れ歯安定剤の粘着力は処方設計の違いから生じます。「新ポリグリップ トータルプロテクションEX」は横ずれ防止処方で側方移動を抑える設計、「新ポリグリップ 長時間安定&噛む力EX」は粘着力が持続することをうたった製品です。
どちらの製品も、「ナトリウム/カルシウム・メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩」と「カルボキシメチルセルロース」が配合されている点は同じですが、それぞれの含有量などが違うことが推察されます。
新ポリグリップの違い⑥|極細ノズルか通常ノズルか


新ポリグリップの極細ノズルは、名前のとおり先端が細くなったノズルのことです。新ポリグリップシリーズから搭載された新しいツールです。
現在販売されている新ポリグリップのうち、以下の5製品で極細ノズルが搭載されています。
- 新ポリグリップ 極細ノズル無添加
- 新ポリグリップ 極細ノズルメントール
- 新ポリグリップ トータルプロテクションEX
- 新ポリグリップ 安定&快適フィットEX
- 新ポリグリップ 長時間安定&噛む力EX
なぜ極細ノズルが推奨されるのか
極細ノズルが推奨される理由は、その操作性にあります。入れ歯安定剤を使用する際、適切な量を狙った場所に塗布することは非常に重要です。極細ノズルは、細いノズル口径を持つため、必要な量をコントロールしやすく、過剰な入れ歯安定剤の使用を防ぐことができます。
また、狭いスペースにも確実に塗布できるため、部分入れ歯への使用でも効果を発揮します。
過剰な入れ歯安定剤が引き起こす問題
入れ歯安定剤は多く使えば入れ歯の安定感が増すわけではありません。入れ歯安定剤の過剰使用によるデメリットを以下にまとめます。
- 入れ歯が浮き上がり、正しい位置でかめない。
- あふれた入れ歯安定剤により口腔内がねばつき、不快になる。
- 入れ歯の清掃が大変になる。
- 入れ歯安定剤がすぐなくなる。



何事も用法用量を守ることが重要です。
極細ノズルのメリット
極細ノズルを搭載した新ポリグリップは、多くの利点を提供する製品です。本項では、極細ノズルによるメリットについて解説します。
適切な量のコントロール
極細ノズルを用いることにより、入れ歯安定剤の適切な使用量を容易にコントロールできます。ノズルの先端が細いので、一度に大量の入れ歯安定剤を出してしまう心配がありません。
極細ノズルでは点状にも線状にも容易に塗布できます。厚みのコントロールも簡単です。


長持ち効果とコストパフォーマンス
極細ノズルを用いることで、入れ歯安定剤の使用量を抑えつつも高い効果を維持できるため、入れ歯安定剤の消耗を最小限に抑えることができます。
適正量の入れ歯安定剤を使用することで、入れ歯や口腔内の清掃も簡単になりますので、タイムパフォーマンスにも優れていると言えるでしょう。
入れ歯安定剤のリスクの軽減
極細ノズルを用いた入れ歯安定剤の使用は、リスク軽減にもつながります。入れ歯安定剤の過剰使用は、入れ歯の安定性を損なう可能性があります。極細ノズルを使用すれば、入れ歯安定剤の過剰使用を防ぎやすくなるでしょう。
さらに、塗布する場所を細かくコントロールできるため、不要な部分にまで入れ歯安定剤が行き渡らず、フィット感と快適性が向上にも寄与します。
新ポリグリップの違い⑦|何日持つか


内容量と使用量で「ポリグリップが何日持つか」は異なります。内容量のラインナップは製品ごとに違いますが、20g、40g、70g、75gがあります。使用量は入れ歯の状態によって異なりますが、一般的には1g以下が推奨されることが多いです。
1回の使用量を1gとすると、新ポリグリップ20g、40g、70g、75gそれぞれの使用期間は20日、40日、70日、75日と考えられます。実際には使用しない日もあるでしょうから、もっと長期間持つでしょう。
自宅用には70gか75gの製品がお得です。ベーシックシリーズは、そのほかのシリーズよりも5g多い75gの内容量ですので、最もコスパに優れています。
40gは持ち運びに便利な大きさで、ビギナーシリーズとプレミアムシリーズの製品に40gのラインナップがあります。
お試しで使ってみたい方は20gを選択するとよいでしょう。内容量が20gの製品は「新ポリグリップ無添加」のみです。
新ポリグリップの違い⑧|価格


製品によって値段は違い、1g単価では新ポリグリップS(75g)が最安値の1g13.1円です。
最高値は「新ポリグリップ長時間安定&噛む力EX」の1g28.3円です。トータルプロテクションEXや長時間安定&噛む力EXは高機能設計の分、一般的な無添加タイプより高めに設定される傾向です。
容量が多くなると販売価格は高価になりますが、gあたりの価格は安くなる傾向にあります。
購入する店舗でも、販売価格に違いが生まれます。どの新ポリグリップでもAmazonが最安値の傾向が強く、同じ通信販売サイトでも楽天市場やYahoo!ショッピングでは送料がネックとなっています。
僅差ではありますが、ドラッグストアで購入した方が安いケースもありますので、ポリグリップの販売価格を知りたい方は以下の記事をご覧ください。


ポリグリップとタフグリップは何が違う?
ポリグリップとタフグリップは発売しているメーカーが異なります。
どちらも入れ歯安定剤ではありますが、それぞれに特徴があります。本項では、タフグリップの基本情報を紹介し、新ポリグリップとの違いもまとめました。
タフグリップとは?
タフグリップは小林製薬株式会社が販売する入れ歯安定剤です。
入れ歯と歯ぐきのすき間をやわらかい層で埋めるクッションタイプと、ポリグリップと同じクリームタイプの製品があります。
クッションタイプの入れ歯安定剤はホームリライナーと呼ばれます。ホームリライナーは、装着時の痛みやガタつきの軽減に役立つとされる一方で、クッション層が厚くなりやすく、入れ歯が浮き上がってしまうリスクを伴います。
日本補綴歯科学会によると、ホームリライナーは、入れ歯を外れにくくする作用は認められますが、浮き上がりなどの有害事象のほうが大きい場合が多いために基本的には推奨できない、としています。
タフグリップの種類
タフグリップには3つの製品が存在します。
クッションタイプ(ホームリライナー)
- タフグリップクッション 透明
- タフグリップクッション ピンク
クリームタイプ
- 長時間安定タフグリップクリーム
「タフグリップクッション 透明」と「タフグリップクッション ピンク」は、基本的な成分は同じですが、クッションの色が異なります。使い分けは、使用者の好みで決めてよいでしょう。
「長時間安定タフグリップクリーム」はナトリウム/カルシウム・メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩とカルボキシメチルセルロースを粘着成分として配合した、クリームタイプの入れ歯安定剤です。
タフグリップとポリグリップの違い
タフグリップとポリグリップは、どちらも有名な入れ歯安定剤です。
本項ではタフグリップとポリグリップの違いに焦点を当てて、歯科医師目線で詳しく解説します。
タフグリップクッションと新ポリグリップの違い
タフグリップクッションはクッションタイプの入れ歯安定剤で、新ポリグリップはクリームタイプの入れ歯安定剤である点が、大きな違いです。
タフグリップクッションでは、入れ歯と歯ぐきの隙間をクッションで埋めることを目的とします。隙間が埋まった結果、入れ歯が歯ぐきに吸い付き、外れにくくなるという原理です。
しかし、主成分である酢酸ビニル樹脂は伸びが悪く、入れ歯の内面に薄く塗布することが困難です。そのため、入れ歯が入れ歯安定剤の分だけ浮き上がってしまい、かみ合わせを悪くしてしまう可能性があります。
タフグリップには酢酸ビニル樹脂だけでなく、アルコールも含有しています。アルコール綿で肌が赤くなる人など、アルコールに対して過敏反応を示す人は使用できません。
使用できる入れ歯にも制限があり、自費でよく使用される金属床義歯には使用することができません。
タフグリップは一回の塗布で、最長3日間使用可能です。
クリームタイプの新ポリグリップは伸びがよく、クッションタイプに比べ薄く塗り広げることが容易です。アルコールも含有しておらず、金属床義歯にも使用可能です。最長でも1日の使用にとどめる必要があります。
| タフグリップクッション | 新ポリグリップ | |
|---|---|---|
| タイプ | クッション | クリーム |
| 原理 | 隙間を埋める | 粘着力でくっつく |
| 安定剤の伸び | ||
| 扱いやすさ | ||
| 金属床義歯 への使用 | ||
| レジン床義歯 への使用 | ||
| アルコール含有 | ||
| 使用期間 | 最長3日 | 最長1日 |
タフグリップクリームと新ポリグリップの違い
タフグリップクリームも新ポリグリップも、どちらもクリームタイプの入れ歯安定剤で、基本的な成分も似ています。
以下の4つの成分は、どちらの製品にも含まれています。
- ナトリウム/カルシウム・メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩
- カルボキシメチルセルロース
- 軽質流動パラフィン
- 白色ワセリン
タフグリップクリームでは上記4成分に加え、「リン酸水素二ナトリウム」と「パラオキシ安息香酸プロピル」が配合されている点が違います。「パラオキシ安息香酸プロピル」は「新ポリグリップS」にも配合されています。
細かな表現などに違いはありますが、使用方法などは2製品でほぼ同じです。
ポリグリップとポリデントの違い
ポリグリップとポリデントは、よく似た製品名であることから、間違われやすい製品です。販売しているのはどちらもHaleon(ヘイリオン)ジャパン株式会社です。
ポリグリップは入れ歯を外れにくくする「入れ歯安定剤」で、ポリデントは入れ歯を洗う「入れ歯洗浄剤」です。
歯医者おすすめのポリグリップの選び方
入れ歯安定剤ポリグリップの8種類のから、どの製品を選べばよいのでしょうか?
本項では、歯医者が考えるポリグリップの選び方を解説します。
ポリグリップの選び方①│歯医者おすすめ
ポリグリップの選び方としては、まず自分の好みを考慮することが重要です。その上で筆者がおすすめするのは、クリームタイプとパウダータイプの併用です。
歯科医師としては、食事のたびに入れ歯を外し、天然歯と入れ歯の両方を磨いてほしいという思いがあります。しかし、クリームタイプは効果時間が長い故に、粘着性が強く、清掃が大変に感じることも少なくありません。
ですので、日常的には「ポリグリップ パウダータイプ 無添加」を使用していただき、食事の都度、口腔内と入れ歯をきれいにすることをおすすめします。
会食などがあるシーンに限ってクリームタイプを使用していただき、外出先で入れ歯が外れることを予防します。
パウダータイプは効果時間が短いことがデメリットですが、入れ歯や歯ぐきへの材料のこびりつきが少ないという特徴もあります。毎食後、入れ歯を外して洗浄したい患者さんにとっては、パウダータイプのメリットは大きいでしょう。
ポリグリップの選び方②│お試し型
「とりあえずポリグリップを試してみたい!」という方には、容量が最も少ない「新ポリグリップ 無添加 20g」がおすすめです。
ポリグリップシリーズ唯一の内容量20gの製品です。気に入らなかったときに捨てるのはもったいないという方に向いている製品です。
ポリグリップの選び方③│コスパ重視型
ポリグリップは8つの製品がありますが、粘着力を発揮する基本成分は同じです。必要十分な基本性能を満たした上で、コスパの良い製品を選ぶのであれば「ポリグリップS 75g」がおすすめです。
本製品は、ポリグリップの中でもベーシックシリーズに該当する製品で、内容量が多いことが特徴です。筆者の調べでは、新ポリグリップシリーズのなかで、1gあたりの金額が最も安い製品でした。
ポリグリップの選び方④│性能重視型
どうせ買うならハイスペックな製品が欲しいという方には、「新ポリグリップ 長時間安定&噛む力EX」がおすすめです。ポリグリップの中でも、プレミアムプラスシリーズに該当するハイエンドモデルです。
従来の商品と比べ、長時間の使用に重きを置いた製品であり、2025年に発売されました。ハイエンドモデルだけあって価格は高いですが、性能重視の方にはイチオシの製品です。
ポリグリップの購入方法
ポリグリップは全国のドラッグストアで取り扱われており、手軽に購入することが可能です。通院している歯科医院によっては、クリニックで販売していることもあるかと思います。希望する製品がない場合には、大手通販サイトでの購入も可能です。
ポリグリップの価格比較は下記の記事をご覧ください。ドラッグストアと大手通販サイトでの販売価格を徹底比較しています。


ドラッグストアなどで販売されている商品から選ぶのではなく、自分の悩みにあったポリグリップを使用することがおすすめです。
「ポリグリップの種類と違い」のまとめ
日本で70年以上の歴史を誇るポリグリップですが、極細ノズルが搭載された「新ポリグリップ」は2017年9月29日に発売されました。
新ポリグリップの注目すべき点は、5シリーズ8種類の豊富なラインナップです。これにより、利用者の多様なニーズに対してきめ細かな対応が可能となっています。
極細ノズルが5種類に適用されており、適切な塗布が簡単に行えます。選ぶ際には、ノズル形状だけでなく、味や内容量、特別処方といった個々の違いを考慮するとよいでしょう。
ポリグリップのラインナップには、様々な種類があり、ユーザーのニーズに合わせて選べるようになっています。新しいタイプには極細ノズルが搭載され、より細やかな塗布が可能です。選び方のポイントとしては、自身の義歯の状態や生活スタイルに合ったものを選ぶことが重要です。
購入方法については、ドラッグストアやオンラインで手軽に入手可能です。これらを踏まえて、自分に最適なポリグリップを見つけ、快適な日常をお楽しみください。ポリグリップは、義歯の悩みを解消し、日々の生活をサポートする頼もしいパートナーとなるでしょう。
Q&A
「新ポリグリップの違い」に関連する質問を集めました。
- ポリグリップと新ポリグリップの違いは?
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現在発売されている製品では、パウダータイプは「ポリグリップ」、クリームタイプは「新ポリグリップ」となっています。
以前はクリームタイプにも「ポリグリップ」がありましたが、2017年9月29日に初めて極細ノズルが搭載された「新ポリグリップ極細ノズル無添加」が発売されました。
クリームタイプの「新ポリグリップ」は、新製品であることはもちろんですが、極細ノズルが搭載されている製品があることも、新旧での大きな違いです。
- ポリグリップとポリグリップEXの違いは何ですか?
-
EX表記の製品は、プレミアムシリーズやプレミアムプラスシリーズが該当します。EXが表記されているのは、「新ポリグリップトータルプロテクションEX」、「新ポリグリップ 安定&快適フィットEX」、「新ポリグリップ長時間安定&噛む力EX」の3製品です。
どの製品も食べ物のかみやすさ快適さ、入れ歯安定の持続時間などを改善するために特別な製品設計となっています。価格はやや高くなってしまいますが、ベーシックな製品で満足できなかった場合にはEXシリーズを使ってみるのも手です。
- 新ポリグリップ無添加と新ポリグリップSの違いは?
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「新ポリグリップS」は、「新ポリグリップ無添加」にパラオキシ安息香酸プロピル、香料、着色料を加えた製品です。「新ポリグリップ無添加」は無味ですが、「新ポリグリップS」はミント風味の爽快な付け心地が特徴です。
- 新ポリグリップ無添加とトータルプロテクションEXの違いは何ですか?
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新ポリグリップ無添加と新ポリグリップトータルプロテクションEXの違いは、粘着成分の配合量の差にあります。粘着剤である「ナトリウム/カルシウム・メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩」と「カルボキシメチルセルロース」を多く配合することで、新ポリグリップトータルプロテクションEXは、より強い粘着力を実現しています。
- 入れ歯安定剤のクッションタイプとクリームタイプの違いは何ですか?
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クッションタイプは、入れ歯と歯ぐきの隙間を埋めることで、入れ歯を外れにくくする製品です。クリームタイプは、粘着力によって歯ぐきと入れ歯をくっつけることで入れ歯を外れにくくする製品です。
クッションタイプの主成分は酢酸ビニル樹脂で、クリームタイプの主成分はナトリウム/カルシウム・メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩とカルボキシメチルセルロースです。
- ポリグリップは何日持ちますか?
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ポリグリップの使用期限は1日です。タフグリップの使用期限は最長で3日です
。新ポリグリップには、20g、40g、70g、75gのラインナップがあります。1回の使用量を1gとすると、それぞれ20日、40日、70日、75日使用できると考えられます。
- ポリグリップがダメな理由はなんですか?
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以前はポリグリップをはじめとする義歯安定剤は、ダメな入れ歯に使用するものだとされていました。現在では、歯科医師の指示のもと、ポリグリップを適切に使用することの有用性が示されています。入れ歯が合わないときは、自己判断せず、まずは専門の歯科医師の診察を受けることが重要です。
- ポリグリップは仮歯やブリッジ、かぶせ物がとれた際の応急処置に使えますか?
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ポリグリップは入れ歯安定剤ですので、そのほかを目的とする使用は禁止されています。
- ポリグリップは医薬品ですか?
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ポリグリップは管理医療機器であり、医薬品ではありません。












