新ポリグリップは、日本で最も知名度がある入れ歯安定剤なのではないでしょうか?
本記事では新ポリグリップの、「新」の意味を探っていきます。新ポリグリップの特長や基礎知識についても詳しく解説しています。
- 新ポリグリップの歴史
- 新ポリグリップの特徴
- 新ポリグリップの選び方
ポリグリップ製品についての基礎知識
ポリグリップは、義歯をしっかりと固定するための安定剤で、日常生活や食事中の義歯のズレを防ぐ製品です。日本ではHaleon(ヘイリオン)ジャパン株式会社から販売されています。
形状としてはパウダー状やクリーム状があり、粘着性や味の違いなどから、複数のラインナップが用意されています。ドラッグストアで販売されていることも多く、入手が容易な入れ歯安定剤と言えるでしょう。以前は歯科医院でのみ販売される「歯科用」ポリグリップがありましたが、現在では新規の製造は行っていないようです。
新ポリグリップは入れ歯安定剤の研究でもサンプルに指定されることも多く、学術研究の対象となっている点も特徴です。入れ歯安定剤の代表例として、大学などの研究機関によって種々の研究が行われています。
新ポリグリップの歴史
ポリグリップは、1951年から販売されている入れ歯安定剤です。日本で70年以上の歴史を誇るポリグリップですが、いつから「新」ポリグリップが販売されたのでしょうか。
新ポリグリップの大きな特徴である極細ノズル。極細ノズルが搭載された新ポリグリップのうち、最初に販売された製品は「新ポリグリップ 極細ノズル」です。グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社(GSK)から2017年9月29日に発売されました。
新ポリグリップの「新」の意味は、極細ノズルによる使用感の向上とも言えるでしょう。そのほか、「新ポリグリップ 安定&快適フィットEX」は、従来のポリグリップにはなかった新製品です。
現在の製造販売元であるHaleonジャパン株式会社は、2022年7月にGSKから分離独立したグローバルコンシューマーヘルスケア企業です。
新ポリグリップの特長
新ポリグリップは、従来の製品に比べて多くの特長があります。代表的なのは、入れ歯安定剤を狙った場所に適量塗布できる極細ノズルです。さらに、新ポリグリップでは異なるニーズに応えるため、3シリーズ6種類のラインナップを展開しています。
新ポリグリップはクリープタイプのみで、パウダータイプは以前より「ポリグリップパウダー無添加」が存在します。ポリグリップパウダー無添加については下記の記事で解説しています。
本セクションでは、新ポリグリップの特長について詳しく説明します。
3シリーズ6種類のラインナップ
新ポリグリップのラインナップは、消費者の多様なニーズに対応するために設計されています。3つのシリーズは、それぞれ異なる機能や利点を兼ね備えており、使用者の好みに応じた選択が可能です。
- ビギナーシリーズ
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- 新ポリグリップ 極細ノズル 香料・色素 無添加
- 新ポリグリップ 極細ノズル お口スッキリ メントール配合
ビギナーシリーズには2種類のラインナップがあります。入れ歯安定剤の使用が初めての方でも適量を塗れるように、極細ノズルが搭載されています。2種類の違いは、味の違いです。40gと70gの容量が用意されています。
投稿が見つかりません。 - プレミアムシリーズ
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- 新ポリグリップトータルプロテクションEX
- 新ポリグリップ 安定&快適フィットEX
ビギナーシリーズをさらに強化し、ビギナーシリーズでは物足りない方に向けた製品。新ポリグリップ 安定&快適フィットEXは、新ポリグリップの中でも最新で、2023年9月11日に発売されました。40gと70gの容量が用意されています。
- ベーシックシリーズ
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- 新ポリグリップ無添加
- 新ポリグリップS
新ポリグリップの中で、極細ノズルが搭載されていないシリーズ。従来の製品に慣れている方におすすめです。新ポリグリップSはミント味です。極細ノズルを搭載していない分、内容量は75gとなっており、お得感が強い製品でもあります。
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極細ノズルは4種類で搭載
新ポリグリップでは、極細ノズルが搭載された製品は4種類。
ノズルの形状を従来製品と比べ極細にすることで、必要な量を、必要な部位に、無駄なく出すことができます。極細ノズルを使用することで、入れ歯内面により広がりやすくなっています。
入れ歯安定剤の使用において注意しなければいけないポイントは、安定剤の出しすぎです。安定剤の過剰使用は、入れ歯の浮き上がりにつながるだけでなく、清掃のしやすさにも影響します。
極細ノズルを使用して、適切な入れ歯安定剤の使用法を徹底しましょう。

筆者も歯科医院で使用する際は、極細ノズルの製品を使用しています。ポリグリップの製品選びで悩んでいる方は、ぜひ極細ノズルを使ってみてください!
新ポリグリップの選び方
新ポリグリップを選ぶ際は、個々のニーズに応じた要素を考慮することが重要です。ノズル形状や味、内容量、そして特別処方の有無など、各要素が製品選択に影響を与えます。
ここでは、新ポリグリップの選び方に重要な各要素を解説します。
ノズル形状
前述したとおり、新ポリグリップには極細ノズルを搭載した製品は4種類あります。従来製品に慣れている方はベーシックシリーズを選択するとよいでしょう。


味
新ポリグリップには香料が使用されている製品と、無香料の製品があります。入れ歯の性能には影響がありませんので、お好みで選択されるとよいと思います。
爽快感を求める方は、「新ポリグリップ 極細ノズル お口スッキリメントール配合」か「新ポリグリップS」を使用しましょう。
風味がない製品が欲しい方は、上記2製品以外を選択するとよいでしょう。
内容量
新ポリグリップは異なる内容量で提供されており、使用頻度やライフスタイルに合わせた選択が可能です。内容量のラインナップは40g、70g、75gです。
40gは持ち運びに便利な大きさで、ビギナーシリーズとプレミアムシリーズの製品に40gのラインナップがあります。まずはお試しで使ってみたい方も、40gを選択するとよいのではないでしょうか。
自宅用には70gか75gの製品がお得です。ベーシックシリーズは、そのほかのシリーズよりも5g多い75gの内容量ですので、最もコスパに優れています。
特別処方
新ポリグリップには、特別処方が加えられたプレミアムシリーズが存在します。
新ポリグリップトータルプロテクションEXでは、横ずれ防止処方として、粘着剤である「ナトリウム/カルシウム・メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩」と「カルボキシメチルセルロース」を増量して配合してあります。より粘着力の強い製品を探している方におすすめです。
新ポリグリップ 安定&快適フィットEXには、ジェル状のクッション材であるポリアクリル酸が配合されています。歯ぐきに違和感がある場合や、歯ぐきの一部分に強い力が集中してしまうケースでの使用が考えられます。
個々人の入れ歯状態やライフスタイルに応じて特別処方を選ぶことで、安全で快適な義歯使用を実現できるでしょう。
しかし、ポリグリップはしっかりと調整された入れ歯への使用を前提として作られています。合わない入れ歯に対して使う製品ではありませんので、入れ歯にお悩みの方は、入れ歯に専門性をもつ歯科医師の診察を必ず受けましょう。
まとめ
日本で70年以上の歴史を誇るポリグリップですが、極細ノズルが搭載された「新ポリグリップ」は2017年9月29日に発売されました。
新ポリグリップの注目すべき点は、3シリーズ6種類の豊富なラインナップです。これにより、利用者の多様なニーズに対してきめ細かな対応が可能となっています。極細ノズルが4種類に適用されており、適切な塗布が簡単に行えます。選ぶ際には、ノズル形状だけでなく、味や内容量、特別処方といった個々の特徴を考慮するとよいでしょう。
不適切な入れ歯を使用している場合は、入れ歯安定剤を使用する前に歯科医院を受診しましょう。
Q&A
「新ポリグリップ」に関連する質問を集めました。
- 新ポリグリップの副作用は?
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適切な使用法を遵守すれば副作用の心配は少ないでしょう。以前の一部製品には亜鉛が含まれており、過剰摂取により手足のしびれ感が副作用として出現する可能性がありました。現在の新ポリグリップには亜鉛は含有されていません。
- 新ポリグリップとトータルプロテクションの違いは何ですか?
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新ポリグリップ無添加と新ポリグリップトータルプロテクションEXの違いは、粘着成分の配合量の差にあります。粘着剤である「ナトリウム/カルシウム・メトキシエチレン無水マレイン酸共重合体塩」と「カルボキシメチルセルロース」を多く配合することで、新ポリグリップトータルプロテクションEXは、より強い粘着力を実現しています。
- 新ポリグリップは1本で何日分使えますか?
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新ポリグリップには、40g、70g、75gのラインナップがあります。1回の使用量は1g以下ですので、それぞれ40日以上、70日以上、75日以上使用できると考えられます。
- 新ポリグリップの使用期限は?
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新ポリグリップに使用期限はありません。ノズルの先端が入れ歯に触れないように配慮し、清潔に保管することを心がけましょう。保管場所は直射日光の当たらない、涼しく乾燥した場所と添付文書に記載されています。