旅行先での入れ歯の手入れ方法を解説!国内・海外での義歯トラブルにも対応

入れ歯ナビ:国内旅行と海外旅行での入れ歯のお手入れはどうする?
遠藤眞次
この記事の執筆者
歯科医師兼歯科専門ライター。東京都池袋の歯医者「グランドメゾンデンタルクリニック」で診療しています。

旅行中の入れ歯のお手入れやトラブルが心配な方は多いと思います。

本記事では旅行用の持ち物チェックリストを公開しています。

旅行前に入れ歯のお手入れの基本を押さえ、小型ケースや洗浄剤などの便利グッズで旅行の準備を万全にしましょう。うっかり入れ歯ケア用品を忘れたときの代替品も紹介しています。

トラブル発生時にも、対処法を知っていれば、安心して旅行が楽しめます。ぜひ出発前にご覧ください。

本記事で学べる歯科知識
  • 旅行用持ち物チェックリスト〜入れ歯編〜
  • 旅行中の入れ歯トラブル対処法
  • 旅行に便利な入れ歯グッズ
目次

1分でわかる!旅行先での入れ歯の手入れ方法

旅行先での入れ歯の手入れ方法は普段と同じですが、よりコンパクトな入れ歯ケアグッズが推奨されます。旅行に必要な持ち物は、入れ歯、予備の入れ歯、入れ歯用ケース、入れ歯洗浄剤、入れ歯用ブラシ、入れ歯安定剤です。入れ歯ケア用品を忘れてしまった場合は、代替用品を現地で探しましょう。

旅行前にはかかりつけ歯医者を受診し、入れ歯に問題点があれば修正します。可能であれば、予備の入れ歯を作製しておくと安心です。

旅行中は、普段と違う環境になるため、入れ歯の紛失や破損、ケア不足からくる歯ぐきの痛みに注意が必要です。

旅行中に入れ歯に問題が生じた場合には歯医者を受診します。国内旅行であれば、原則どの歯医者でも受診可能です。海外での受診はハードルが高いため、基本的な用語を英語で覚えておくと安心です。海外旅行保険の中には、歯科治療特約を付けることができる保険商品もありますので、必要な方は事前に加入しましょう。

旅行に行く前に知っておくべき入れ歯の基本

旅行を快適に過ごすためには、自分の入れ歯の種類や特徴を理解し、事前の準備とメンテナンスが欠かせません。部分入れ歯と総入れ歯ではケアの方法が異なり、使用する洗浄剤やブラシにも注意が必要です。

旅行時は入れ歯本体だけでなく、ケア用品や予備の入れ歯を忘れずに持参し、飛行機搭乗時の保安検査や機内持ち込みルールにも配慮しましょう。

トラブルを未然に防ぐには、出発前に歯科医院でのチェックを受けることが安心につながります。

部分入れ歯と総入れ歯の違い

部分入れ歯と総入れ歯では、お手入れ方法が少し異なります。

部分入れ歯は、残っている自分の歯(天然歯)に金属や樹脂のバネで入れ歯を固定するタイプです。天然歯を1本だけ失った場合から、13本失った場合までが部分入れ歯の対象です。

総入れ歯はすべての歯を失った方用で、歯茎全体を総入れ歯で覆います。

部分入れ歯では、金属のパーツが使用されていることが多く、入れ歯洗浄剤によっては入れ歯を痛めてしまいます。入れ歯洗浄剤を選ぶ際は、部分入れ歯専用の製品を使用します。また、金属パーツ周辺は汚れがたまりやすいので、意識的に磨きましょう。

旅行用持ち物チェックリスト〜入れ歯編〜

入れ歯の旅行用チェックリストを作成しておくことで、忘れ物による不安や心配を減らしましょう。入れ歯だけでなく、普段使用している入れ歯ケア用品も忘れずに持って行きます。

旅行時に持参が必要な入れ歯ケアグッズには、入れ歯用ケース、入れ歯用ブラシ、入れ歯洗浄剤、入れ歯安定剤があります。
旅行先でも普段と同じ入れ歯ケアができるように、入れ歯グッズを持参しましょう。入れ歯用ケースや入れ歯用ブラシ、入れ歯洗浄剤、入れ歯安定剤は必ず持参し、可能であれば予備の入れ歯も持参しましょう。

何よりも大切なのは、事前に入れ歯の調整を歯医者で行い、状態の良い入れ歯で旅行に行くことです。入れ歯を作り直す必要がある場合、3か月ほど時間がかかることがあります。余裕をもって歯医者を受診しましょう。

以下に旅行用のチェックリストを示します。

旅行用の口腔ケアグッズ
  • 入れ歯
  • 予備の入れ歯
  • 入れ歯用ケース
  • 入れ歯洗浄剤
  • 入れ歯用ブラシ
  • 入れ歯安定剤
  • 歯ブラシ(部分入れ歯の場合)
  • 歯磨き粉(部分入れ歯の場合)
  • フロス・歯間ブラシ(部分入れ歯の場合)

旅行時に起こりうる入れ歯トラブル

旅行中は普段と異なる環境や予定外の行動により入れ歯の破損や紛失、歯ぐきの急な痛みといった問題が発生しやすくなります。

旅行先での入れ歯のトラブルには、紛失、破損、不衛生がある
宿泊先での入れ歯の紛失や慣れない環境で入れ歯を取り扱うことによる破損、旅行中の入れ歯のケア不足に伴う歯ぐきの炎症(痛み)が旅行中の入れ歯トラブルの代表例です。

紛失が多いのは、宿泊先のホテルです。自宅と違う環境であることに加え、朝の時間帯は忙しいことも多く、入れ歯を忘れてしまうことがあります。

入れ歯の洗浄中に、入れ歯を落として割れてしまうことも考えられます。宿泊している部屋の床材によっては、入れ歯を落としてしまうと容易に割れてしまうでしょう。

旅行に入れ歯ケア用品を持って行き忘れてしまったり、旅行中に入れ歯ケアの時間が取れなかったりすると、入れ歯が不潔になってしまいます。入れ歯が不潔な状況が長く続くと、歯ぐきに炎症が生じて痛くなることがあります。

できる限り普段と同じルーティーンで入れ歯のケアを行うとよいでしょう。

飛行機搭乗時の入れ歯の注意点│金属探知機と機内持ち込み荷物のポイント

飛行機に搭乗する際、入れ歯の金属部分が保安検査で反応するのではと心配される方も多いのではないでしょうか?また、入れ歯ケア用品が機内に持ち込めるのか気になる方もいるかと思います。

空港に設置されている金属探知機は、Walk‑Through Metal Detectors(WTMD:ウォークスルー型金属探知機)と呼ばれています。WTMDは空港や刑務所などのセキュリティチェックにある、人が通り抜けるゲート型金属探知装置です。

WTMDは磁性金属に反応しやすく、非磁性金属では十分なサイズがなければ反応しません。一般的な入れ歯に使用される金属は以下の4つで、どれも非磁性金属です。

  • 白金加金
  • コバルトクロム合金
  • 金銀パラジウム合金
  • チタン合金

入れ歯に使用される金属は非磁性金属であることと、サイズが小さいことから考えると、空港の金属探知機には反応しないと考えられるでしょう。

入れ歯の金属は、小さくて非磁性金属なので、旅行中で訪れる空港の金属探知機には反応しづらく、ゲートは問題なく通過できることが多い
一般的な入れ歯は金属探知機(ゲート)に反応しません。銀歯やインプラントも同様に反応しません。使用する金属の大きさや種類によっては金属探知機が反応してしまうことがありますので、その際は入れ歯を装着している旨を旅行で訪れた空港のスタッフに伝えましょう。

一方で、磁性(じせい)アタッチメントやマグネットデンチャーと呼ばれる入れ歯は注意が必要です。マグネットデンチャーは、入れ歯に磁石を取り付け、歯に装着した磁性金属(キーパー)と磁石の力でくっつくことで外れにくくした入れ歯です。

この入れ歯には磁性金属が含まれるため、WTMDに反応してしまう可能性があります。

事前の申請は必要ありませんが、金属探知機が反応した際には「入れ歯を装着している」旨を説明できるようにして起きましょう。

入れ歯ケア用品の輸送については、国内線と国際線でルールが異なります。国内線では機内持ち込み・預け荷物ともに制限はありません。国際線の場合、預け荷物にいれる場合は問題ありませんが、機内持ち込みをする場合には注意が必要です。

飛行機の機内に歯磨き粉や入れ歯安定剤、入れ歯洗浄剤などを持ち込む際は、各容器の容量を100ml以下にして、チャック付きの1L以下の透明袋に収納する。
国際線で液体を機内持ち込みする場合の注意点です。1つの容器あたり100mL以下の内容量とし、全ての液体をまとめて容量1L以下の透明なチャック付き袋にまとめます。国内線の場合でも、水漏れの可能性があるものは、座席下の荷物スペースに収納しましょう。

天然歯用の歯磨き粉や泡タイプの入れ歯洗浄剤、クリームタイプの入れ歯安定剤は、液体に分類されます。国際線で液体を機内持ち込みする場合には、 100ml(100g)以下の容器に入っていることと、 他の液体類と合わせてチャック付き透明袋(1L以下)に入れることが必要です。

錠剤タイプの入れ歯洗浄剤は液体に分類されませんので、持ち込み制限はありません。

Metal Detection

歯科医院での事前チェックとメンテナンス

旅行前には、かかりつけの歯医者で入れ歯の点検・メンテナンスを受けておくことが安心につながります。入れ歯にひび割れ、変形、汚れの蓄積がないかチェックしてもらい、不具合があれば必要な治療や修理を依頼しましょう。

可能であれば、事前に予備の入れ歯を作製しておくとさらに安心です。

入れ歯の修理などには時間がかかる場合もあります。できる限り日程に余裕をもって歯医者を受診しましょう。

旅行で使える入れ歯用便利グッズ

旅行には入れ歯ケアグッズを必ず持って行きましょう。

ここでは旅行用におすすめな便利グッズを紹介します。

旅行用入れ歯ケース

入れ歯ケースは、入れ歯を安全・清潔に保管するための必須アイテムです。

旅行時は小型で密閉性の高いケースがおすすめです。最近は、入れ歯洗浄用の水切りが付いたものや、水漏れ防止用のゴムパッキンがついたものなど、多機能な入れ歯ケースがいくつもあります。

歯医者ではベーシックな入れ歯ケースしか販売していない場合が多いので、こだわりがある方はインターネット通販で購入するとよいでしょう。

折りたたみ式コンパクト入れ歯ケース。使用していないときは折りたたんでコンパクトにまとめられます。入れ歯洗浄時に便利な150mlの目盛りもマークされています。旅行用にはこの製品がおすすめです。

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入れ歯用洗浄剤

旅行中でも入れ歯の清潔を保つためには、入れ歯用洗浄剤を使用します。錠剤タイプは宿泊数分だけ持って行くとコンパクトです。泡タイプの洗浄剤は「ポリデントデンタルラボ泡ウォッシュ」がコンパクトでおすすめです。

泡タイプの入れ歯洗浄剤(入れ歯用歯磨き粉)の種類については、下記の記事をご覧ください。

入れ歯用ブラシ

入れ歯用ブラシは、義歯やその金属部分の細かい汚れをしっかり落とすための重要アイテムです。通常の歯ブラシと違い、入れ歯用ブラシはブラシの形状が工夫されており、入れ歯の隅々まで洗浄しやすくなっています。

普段使用している入れ歯用ブラシを忘れずに持って行きましょう。

旅行用入れ歯安定剤

入れ歯安定剤は、入れ歯と歯ぐきの間に塗ることで、入れ歯を外れにくくする製品です。

旅行用のコンパクトな入れ歯安定剤として、「新ポリグリップ無添加 20g」がおすすめです。入れ歯安定剤として有名なポリグリップですが、コンパクトな容量のラインナップがあるのは「新ポリグリップ無添加」のみです。

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旅行に持って行くのを忘れた!入れ歯ケア用品の代替品はある?

うっかり入れ歯ケア用品を忘れてしまった場合でも、慌てることはありません。現地のドラッグストアやスーパー、コンビニを活用することで、入れ歯ケア用品の代替品をゲットできます。

旅行に入れ歯ケア用品を忘れても、入れ歯ケースや入れ歯用歯ブラシなどの代替品は現地でも手に入ります。
旅行に入れ歯ケア用品を忘れても、現地で代替品を探すことができます。入れ歯ケースの代替品には食品保存用ケースがおすすめで、入れ歯用ブラシの代わりには通常の歯ブラシを使用しましょう。

入れ歯ケースの代替品

入れ歯ケースを忘れた場合は、清潔な小型の食品保存容器や、密閉できるプラスチックケースなどが代用できます。現地のドラッグストアやスーパーでも手軽に購入できるので、安心です。

代替品を選ぶにあたって重要なのは、しっかり蓋が閉まり水漏れしないことです。

入れ歯用洗浄剤の代替品

入れ歯洗浄剤として有名なポリデントは、海外のドラッグストアやコンビニで手に入ります。パッケージが異なりますので注意が必要です。ポリデントの英語表記は「Polident」です。

食器洗い用洗剤で入れ歯を洗浄したり、キッチンハイターを使用して入れ歯を消毒したりすることは控えましょう。一部の歯医者のWebページでは、これらが推奨されていることもありますが、食器洗い用洗剤もキッチンハイターも入れ歯ケア用品ではないため、筆者は使用を推奨していません。

入れ歯をキッチンハイターに漬けていいのかについては、下記の記事で詳細に解説しています。

どうしても入れ歯洗浄剤が手に入らない場合は、入れ歯を入れ歯用ブラシで入念にこすり、ぬるま湯で汚れを洗い流しましょう。

Polident Denture and Dental Appliance Cleanser Product Range

入れ歯用ブラシの代替品

専用のブラシを用意し忘れた際は、天然歯用の歯ブラシを使用します。部分入れ歯を使用している場合は、ワンタフトブラシと呼ばれる小型の歯ブラシを併用するとよいでしょう。

入れ歯安定剤の代替品

入れ歯安定剤の代替品はありません。日本でよく見かけるポリグリップは海外でも購入することができます。英語表記は「Poligrip」で、比較的日本の製品と似ているパッケージで販売されています。

旅行中の入れ歯の手入れ・洗浄方法

旅行中も日々の義歯ケアを怠らないことが、快適な旅行のカギとなります。飛行機の機内ならではのケア方法も紹介します。

入れ歯のお手入れ・洗浄の基本ステップ

入れ歯は毎日取り外して洗浄することが大切です。まず流水で食べかすなどを流し、義歯専用ブラシで全体を優しく磨きます。

次に、専用の洗浄剤(錠剤・液体・泡タイプなど)に一定時間浸け置きして、見えない細菌や汚れを除去します。洗浄後は必ず流水でよくすすぎ、洗浄剤が残らないようにしましょう。

旅行中の正しい入れ歯のお手入れ方法は、入れ歯用ブラシによる機械的清掃と、入れ歯洗浄剤による化学的洗浄を組み合わせることです。
旅行中であっても入れ歯の洗浄方法は変わりません。入れ歯用ブラシによる機械的清掃と、入れ歯洗浄剤による化学的清掃を組み合わせることで、入れ歯を清潔に保つことできます。

熱湯や歯磨き粉は義歯を傷める原因になるため避け、毎日の丁寧な手入れを心がけることが長持ちの秘訣です。

詳しい入れ歯のお手入れについては下記の記事を参考にしてください。

食後に最低限すべき入れ歯のお手入れ

毎食後は義歯を必ず外し、水で軽くすすいでからブラシで磨く習慣をつけましょう。

観光中の食後は難しいかもしれませんが、最低限うがいができるとよいでしょう。その場合は、ホテルに帰ったあとにできる限り早く入れ歯のケアを行います。

部分入れ歯を使用している場合は、入れ歯だけでなく天然歯にも悪影響がおよびます。糖分や食片が残るとむし歯や歯周病の原因になるため、素早いケアが重要です。

海外では文化的な理由などから、公共施設での歯磨きが不適切とされている場合もあります。また、水道水を直接口に含むことが危険な場合もあります。

旅行先のルールやモラルを守ったケアを心がけましょう。

航空機内での入れ歯のお手入れ

航空機内では水や洗面設備が制限されるため、トイレのタイミングを見て短時間で手入れをする必要があります。

洗面所は混雑することが多いため、国内線などの短時間フライトでは控えるのが無難でしょう。

機内に歯磨き粉の持ち込みが許可されている点や、国際線ビジネスクラスなどでアメニティとして歯ブラシが提供されている点を考慮すると、航空機内でお口や入れ歯のケアをすることは問題ないといえるでしょう。

一方で、お手洗いの水は引用できませんので、ミネラルウォーターなどで入れ歯を洗うようにしましょう。

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旅行先での入れ歯のお手入れのコツ

旅行中は食事内容やリズムが変わりがちですが、毎日のケアは欠かさないようにしましょう。少なくとも就寝前には入れ歯を洗浄し、入れ歯洗浄剤につけ置きします。

「旅行用チェックリスト-入れ歯編」を熟読し、入れ歯ケア用品を忘れないように気をつけてください。

旅行中の入れ歯トラブル対処法

旅行中は入れ歯の破損や紛失、急な違和感など予測できないトラブルが起こることもあります。トラブルの対応法や、国内外の歯科医院やクリニックの利用方法もあわせて知っておきましょう。

入れ歯の破損・紛失時の対応

入れ歯が破損した場合は無理に使用せず、破片を集めてケースに保管し、最寄りの歯医者に相談します。

入れ歯を紛失した場合は、国内・海外ともに、短時間で新しい入れ歯を作ることは困難です。紛失した可能性がある場所に電話し、見つからない場合は諦めます。

旅行が終わったらかかりつけの歯医者を受診し、新しい入れ歯を作製してください。こうならないためにも、予備の入れ歯があると安心です。

国内の旅行先で歯科医院を受診する場合

国内旅行先での歯科医院受診は、原則として全国どこでも診療を受けられます。多くの歯科医院は急患対応もしており、当日中に入れ歯の調整や応急処置を行ってくれることがあります。

受診の際は入れ歯と保険証を忘れずに持参しましょう。支払は現金のみの場合もありますので、現金を1万円程度持っていると安心です。

海外の歯科医院を受診する際のポイント

海外で歯科医院を受診する場合は、渡航先の現地事情に合わせて入れ歯に関する基本英語を覚えておくと安心です。万が一の事態でも、現地のクリニックで適切なケアや修理を受けられる可能性があります。

海外旅行保険には、歯科治療特約を付けることができる保険商品があります。渡航前に、加入している保険会社に確認しておくと安心です。

治療費は全額自己負担で高額になる場合がほとんどなので、クレジットカードでの支払いが可能か事前に確認しておきましょう。

三井住友海上 海外旅行保険

歯科用語英単語集-入れ歯編

海外旅行や長期滞在中の万が一に備え、入れ歯に関連する歯科用語の英単語を覚えておくと役立ちます。

  • 歯科医院=dental clinic(デンタルクリニック)
  • 入れ歯=denture(デンチャー)
  • 壊れた=broken(ブロークン)
  • 痛い=hurt(ハート)
  • 歯ぐき=gum(ガム)
  • 修理=repair(リペア)
  • 入れ歯洗浄剤=denture cleanser(デンチャークレンザー)
  • 入れ歯用ブラシ=denture brush(デンチャーブラシ)

まとめ│旅行先での入れ歯の手入れ方法の基本は普段と同じ

旅行中の入れ歯トラブルを防ぐには、事前準備と正しい手入れが重要です。

飛行機に乗る際、入れ歯の金属部分は一般的に金属探知機に反応しませんが、マグネットデンチャーなど磁性金属を含む入れ歯では注意が必要です。

旅行には入れ歯本体だけでなく、洗浄剤やブラシ、安定剤などのケア用品も必ず持参しましょう。予備の入れ歯があれば、万が一の紛失にも安心です。旅行先でも普段と同じように入れ歯の手入れを続けることで、快適な旅が実現できます。

Q&A

「旅行先での入れ歯の手入れ方法」に関連する質問を集めました。

入れ歯の持ち運び方は?

旅行中に入れ歯を持ち運ぶ際は入れ歯ケースに入れましょう。入れ歯ケース内で入れ歯が動いてしまう場合は、ペーパータオルなどで包んだ状態で入れ歯ケースに入れます。

飛行機で入れ歯を使うと金属探知機に引っかかりますか?

通常の入れ歯では金属探知ゲートには反応しないことが多いです。一方でマグネットデンチャーには注意が必要です。マグネットデンチャーは磁性金属を含むため、通常の入れ歯より金属探知機に反応しやすいと考えられます。海外の保安検査で呼び止められた場合は、入れ歯(デンチャー)を装着していることを空港スタッフに伝えましょう。

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